- 生活残業している人の末路は?
- 具体的にどんな人がいた?
- 残酷な末路から回避することはできる?
こんなことが分かる記事です。
普段は3万人規模の大手日系企業の人事として、労務管理や中途採用をしています。
生活残業者の末路。あなたは気になりませんか?
あなたがもし生活残業をしているなら、明日は我が身と思って読んでみてください。
生活残業をしていない人は、生活残業をするとこんな末路が待っているとともに、「一緒にいたらやばい」という危機感を持ってくださいね。
生活残業をしている人に訪れる末路6選
では、さっそく生活残業している人に訪れる末路を6つ紹介していきます。
どれも人から聞いたり、私が人事をやっていて実際に見てきた人たちの例です。
- 不幸になる
- スキルが身につかない
- 会社から評価されなくなる
- 周りの人が離れる
- ストレスがたまる
- 路頭に迷う
ぜひこうならないようにしてくださいね。
不幸になる
いきなり直球ですが、生活残業をしている人は不幸になります。
なぜなら、生活残業で時間を浪費し、遅い時間に帰り、やりたいこともできずにまた会社に行く生活を繰り返すからです。
生活残業とは言え、疲労はたまっているのでダラダラYouTubeやネットフリックスを見て一日が終わります。
スキルが身につかない
生活残業は基本やることがないのに時間をつぶしている状態です。
なので、生活残業をしたからといって何かスキルが身につくわけじゃないです。
今の世の中、何が必要になるかわからない変化が激しい世ですから、そんな中スキルが身につかず時間を浪費していくだけの末路が待っています。
会社から評価されなくなる
生活残業をすると会社から評価されなくなります。
何の成果も生み出していない、ただのコスト扱いになるので、評価がされず昇給もわずかになっていくでしょう。
そうするとさらに生活残業をして、評価が下がってという負のループになる末路です。
周りの人が離れる
会社から評価されないと周りが「あの人はやばい」という空気になります。
仕事を教えても、どうせダラダラやるし質もよくないから頼まないでおこうともなります
。結果やることもなくなるけど、定時で帰ると手取りが少ないため、無駄な生活残業をする末路が待っています
ストレスがたまる
周りの人が離れると仕事で何かわからないことがあった時に、頼る人がいなくなります。
自分一人で悩み、解決する必要が出てきます。
また、何か決めるにしても信頼がないので、反対意見が多く出てやりたいことができなくなるというのも末路の一つです。
路頭に迷う
最終的に、会社にいられなくなり退職の末路をたどる人も多いです。
ですが、そういう人が入れる会社は往々にしてブラックなので、メンタルもやられ残業してもそもそも残業代が支払われない、みたいな環境もあるそうです。
最悪の末路ですね。
生活残業のループに陥る原因
では、そもそも生活残業のループに陥ってしまうのはなんでなんでしょうか?
大きくは2つのケースがあると思います。
少し解説しますね。
やりたいことがあるケース
一つはやりたいことがあって生活残業をしているケースですね。
やりたいことにも大きく2つの理由があって、人事をして周りを見ているとこの2つに集約されます。
- 家族を養いたい
- 趣味にお金を使いたい
家族を養いたい
一つは家族を養えないから生活残業をするケースです。
生活残業代がある前提でローンを組んでいたり、食費がかなりかさんでしまう人は、この考えになります。
趣味にお金を使いたい
もう一つは、やたら趣味にお金を使う人です。
私が見た中には、推しの地下アイドルにかなり貢ぐために生活残業をしている人もいましたし、旅行が好きで常に飛び回っていたいからお金が欲しいという人もいました。
やりたいことがないケース
続いてはやりたいことがなくて生活残業をするケースです。
こちらもケースとしてはかなり多いと思います。
過去の私もどちらかと言えばこっちでした。
これも大きくは2つの理由に分けられます。
- 仕事以外にやることがない
- 将来が漠然と不安
仕事以外にやることがない
一つは仕事以外にやることがないケースです。
仮に5時に仕事が終わって、家についても特にやることがない。熱中できることはないし、テレビを見て時間が溶けていって終わるという一日を過ごしていました。
かと言って飲み会もあまり好きじゃないので、とりあえず残業代を稼いでおくかという感覚ですね。
将来が漠然と不安
もう一つは将来が漠然と不安な人です。
老後に2000万が必要とも言われていますが、お金を稼げるうちに稼いで、貯められるうちに貯めたいから残業をするパターンですね。
何に使うんですか?と聞くと、「特に決めてない」「とりあえず将来のため」と答える人も多いです。
【人事が見た】生活残業をしていた人の末路を紹介
ではここからは、人事である私が実際に見た「生活残業をしていた人の末路」を紹介していきたいと思います。
40代独身男性人事の例
仕事の出来具合は普通。特に問題も起こさない社員でしたが、かなり控えめな性格で数名をまとめ上げる役職には就けずにいました。
ある時、会社が若返りを図るために大量に新卒を採用しました。優秀な新卒が多かったこともあり、成果は若手に取られ、その男性は暇になりました。
暇なはずだったのですが、若手が頑張っている以上定時に帰るわけにもいかず、時間をつぶしていたら周りからの反感を買い、孤立するようになりました。
結果、ストレスをためて休職。そのまま復職することなく退職の末路をたどってしまいました。
孤立をして、体調を崩し不幸になってしまったパターンですね。
30代既婚男性営業の例
人柄はよく、言われたことは素直に従うタイプで、周りに敵もいないように思われました。
ただ、結婚して子どもができたタイミングということもあり、将来のために生活費をより稼ごうと思うようになったそうです。
その時に選んだ手段が生活残業。しばらくはよかったですが、見かねた営業部長がその男性の評価を低くつけ、結果次年度降格になってしまいました。
※これは周りが告発したケースということが後からわかりました。
30代独身女性経理
入社して以来生活残業でダラダラと仕事をこなすスタイルが身についていました。
経理と言っても、単純なExcel作業を行うだけで、周りも「あの人は単純なことしかやらないから」と言われていたそうです。
その会社は既婚者が多かったので、ある時、出会いを求め思い切って転職に踏み切りました。
ですが、スキルもなく、面接で言えることもなく、仕方なく雇ってくれたブラック企業に入ったそうです。
結果、サービス残業が多く、婚活の時間もなくなって、もう一回転職活動をしているとか。
スキルを身に付けず、生活残業をしていた典型的な末路ですね。。。
【人事が聞いた】生活残業者の本音
このように様々な生活残業の末路があります。
私個人的に、生活残業をしている人の本音を聞いてみたので、聞けそうな同期やヒアリングに答えてくれた同僚に聞いてみました。
すると、次のような3つの本音が聞けました。
生活を補うので必要
何よりも生活を補うので必要とのことです。
「家賃補助も雀の涙だし、物価は高くなる一方、教育費も必要になるだろうし今から稼がないといけないんだよ」
と切実に語ってくれました。
これは正直共感できますよね。。。
趣味にお金を使うので許してほしい
趣味にできる限りお金を使いたいという本音を言ってくれた人もいました。
「仕事自体がかなりストレスだから、休日にそのストレスを発散させるために美味しいものを食べたり、好きなことを制限なくやるためにお金が必要なんだよ~」
とのことでしたね。
基準賃金も上がらないし仕方ない
先ほどと少しかぶりますが、企業側も賃金を上げるのに苦労をしています。
「昇格して給料がドカッと上がったと思って、給与明細を見たら、税金が引かれそんなに前と変わらなかった」
「ただ、責任という名のストレスが上乗せされただけだわ」
そう話してくれた同僚もいました。
生活残業をしていた頃の私のケース
ここから少し、私が生活残業をしていた頃の話をしたいと思います。
独身で特にやることもなかった
大手日系メーカーの人事として労務管理と中途採用を任されていました。
仕事はまずまず楽しかったので、とりあえずやることはやって、無理しすぎず生きていければいいかなと思って、ほとんど定時で帰っていました
独身で趣味もなかったので、帰ってもやることのない状態でしたね。
残業2時間の手取りに愕然
そんな感じで過ごしていたのですが、2年目の給与明細を見て愕然としました。
前の月に残業は2時間しかしていなかったものの、手取りは超少ない。
とっさに時給換算して「これならバイトと変わらないじゃんか」と衝撃を受けたのを覚えています。
残業20時間はするようにダラダラと生活残業を続けた
それから、毎月手取りを上げるために15~20時間くらいはダラダラと生活残業をするようになりました。
ただ、やっぱりその間にこれといったスキルも身につかなかったですし、幸せじゃなかったなぁと思い返しています。
そこからは転職をし生活残業から脱却
これではいかん、とやりたくなかったのですが25歳で転職活動を始めました。
やってみると、想像以上に楽でエージェントの人が手厚くサポートしてくれたので、ストレスはなく転職することに成功しました。
スキルはなかったですが、年齢を武器になんとななった感じでした。
結果、生活残業なしで年収UPも達成。
あの時行動しておいてよかったと思いました。
生活残業者が多い会社の末路はどうなる
ここまでは個別単位での生活残業者の末路を見てきました。
では、生活残業者が多い会社の末路はどうなるんでしょうか。
結論、会社丸ごと不幸になります。
仕組みはシンプルで以下の通りです。
まず優秀な人財が同業他社に転職する
生活残業者が多いと、優秀な人が評価されなくなります。
それに不満をいだいた優秀な人財は転職するわけですが、だいたい似たような企業に転職します。(転職しやすいんです。)
なので、残された側はスキルと優秀な人財が丸ごと持っていかれることになります。
コストだけが膨らんでいく
それでも残された側は売り上げを上げて会社を成り立たせなければいけない。
でも優秀な人がいないからうまくいかない。
なので給与も上がらないから、生活残業で生活費を賄うしかない。
結果として会社のコストだけが膨らんでいきます。
今の会社が廃れていく
そうなると、今の会社が廃れていって優秀な人財が集まる会社が伸びていく、つまり二極化するわけですね。
生活残業者は会社を弱らせる力を持っていると言っても過言ではありません。
早期退職やリストラが起こる
最悪、早期退職やリストラ、そして倒産という事態になるわけです。
今やこんな大手も早期退職に踏み切っています。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240517-OYT1T50181
(読売新聞オンライン2024/05/18より抜粋)
しかも倒産したところで、生活残業を続けていた人はすごいスキルも持っていないわけですから、転職がうまくいかないという末路が待っています。
拾ってくれたとしても、人手が不足している猫の手も借りたい会社なので、制度も整っておらず焦ってブラックな会社を選んでしまうのが結局の末路でしょう。
生活残業者が待っている残酷な末路を回避する方法
では最後に、生活残業者を待ち受けている残酷な末路を回避する方法について紹介します。
一応会社に残るパターンと、残らないパターンの2つを紹介しますね。
会社に残る場合
まずは会社に残る場合です。
ちなみにこちらは特別な理由がない限り圧倒的にオススメしないです。
周りが持っていないスキルを身に付ける
方法の一つが周りの誰も持っていないスキルを身に付けることです。
例えば、会社内にプログラミングのスキルを持っている人がゼロだとして、プログラミングができるようになれば、生きていけます。
お局と仲良くなる
もう一つが邪道ですが、その会社のお局と仲良くすることです。
会社の中心人物と仲良くしていれば、勝手に退職させられるリスクは減ります。
ただ、これも会社ごとつぶれたら意味ないですし、そのお局がどこかに異動や退職したらアウトなので、結局オススメしないです。
会社に残らない場合
では、オススメなのは今の会社残らずに生活残業をやめる方法です。
理由は3つあります。
- 何かを変えるには環境を変えるべき
- 転職してそもそもの年収を上げられる
- 趣味や勉強など好きなことに時間を使える
何かを変えるには環境を変えるべき
もしあなたが、「今の会社で生活残業をやればいいじゃん」と思っているのなら、それはほぼ無理です。
人は環境が変わらないと買われないものです。なので、強制的に環境をまず変えちゃうのがいいんです。
転職してそもそもの年収を上げられる
うまく転職エージェントに相談して、自分が言える範囲の強みを伝えられれば転職も成功します。
そうすると、今の会社でジリジリ昇給を望んでいるよりも、一気に年収を上げることができます。
転職して趣味や勉強など好きなことに時間を使える
年収を上げることができたら生活残業に使っていた時間を、趣味やスキルアップのための勉強にも使えるようになります。
生活レベルが上がって幸せになる好循環が生まれるわけですね。
【最後に裏話】転職で年収は意外と簡単に上がる
最後に一つ人事のすると、私は中途採用をやっていて求職者の年収設定をしたりもします。
その時には、基本的にこちらも人手不足で、すぐ入社してほしいので、希望年収以上の額は会社側から提示するようにしているんです。
(希望年収以下だと他の会社に取られちゃうから)
なので、うまくいけば、残業0時間でも、これまでの年収を上回るみたいなケースはざらにあります。