- 生活残業している人がむかつく?
- むかつく理由と対処法は?
- 生活残業者にむかついてばかりいるとどうなる?
こんな疑問を解消します。
普段は大手日系企業の人事として、労務管理や中途採用をしています。
もうやることはないはずなのに、ダラダラ生活残業しているのを見るとむかつく!
こっちは仕事が溜まっているのに、効率悪く働いているのを見るとむかつきますよね。
今回は「生活残業をする人がむかつく」問題をを人事の視点から解説、アドバイスしていきます。
あなたの周りにいる生活残業しててむかつく人
生活残業=生活費を稼ぐためにやる無駄な残業
というわけで、早速ですが、周りにいる生活残業をしていてむかつく人の例を見ていきましょう。
これは私が人事をしていて同僚から聞いた話と、私が実際に同じチームになった時の話です。
きっとあなたの周りにもいるんじゃないでしょうか?
以下の記事でも事例を紹介しています。
細かい部分まで作業して生活残業するAさん
まずは私が最初に人事部配属されたときの30代男性Aさんのケースです。
役員に提案する資料があったのですが、チーム内での話し合いがまとまらず結構時間がかかっていました。
最終的には上司の一声で「これで行こう!」とまとまったのですが、帰り際、Aさんの方の席を見ると、ちまちま資料のフォントのサイズや細かい図の微調整をやっていました。(気づかないレベルのものです)
すでに上司は帰っていたので何も言えなかったですが、さすがに「もういいじゃん!」と思ってむかつきましたね。
最後にすべてをくつがえすBさん
これは同じ人事部員から聞いた40代男性Bさんのケースです。
中途採用の募集をかけるために、サイトに乗せる文言を考えていました。
大方決まって、今日はもう帰れると思ったのですが、決まる寸前にBさんが「やっぱりここの文言はこういう文末に変えたほうがいいんじゃないか」と言い出したんです。
もちろん、効果的な改善ならいいのですが、変えてもほとんど効果がなさそうな細かすぎる部分。
結局時間がかかりそうだったので、この文言はAさんに任せて帰りました。Bさんは生活残業を稼ぎながらずっと残っていましたね。
頑張っている感を出しているCさん
これは私の同僚に聞いた経理部門の40代女性Cさんの話です。
経理の仕事上、繁忙期と閑散期に分かれているんです。なので閑散期は基本定時で帰れるんですが、Cさんは全然帰ろうとしないんですよ。
何か細かい作業を見つけてはそれをやって、それも決して成果になることなく、会社にとってなんのメリットもない仕事をです。
それで周りからは、帰りが遅いから心配されて、少し嬉しそうにしているんです。頑張っている感を出すので必死なんでしょうね。効率重視で働いているこっちからしたら、さすがにむかつきますね。
生活残業者がそもそも残業をする理由
生活残業をやる理由ってそもそも何でしょうかね?
あなたが生活残業と無縁ならあまり考えたことはないかもしれないですが、理由は大きく以下の3つです。
- シンプルにお金が欲しい
- 帰ってもやることがない
- そういう働き方になっている
恥ずかしながら以前私もやっていました。
シンプルにお金が欲しいから
1つ目はシンプルにお金が欲しいからです。
私の場合、2年目で残業を全くしていなかったときの手取りに愕然としました。
「バイトと変わらないじゃないか」と一人で怒って、次の月から仕事が溜まっていないのに20時間くらいは生活残業をしていましたね。
誰かにむかつかれていたかもしれません。
帰ってもやることがないから
2つ目の理由は、帰ってもやることがないからです。
仮に定時で上がったとしても、何もやることがないんですよ。あるとすれば、ダラダラとSNSを見たりYouTubeを見て時間を溶かすだけです。
なら、少しでも会社にいて、手取り額を上げたほうがいいっていう発想なんですよね。
そういう働き方になっているから
3つ目の理由は、昔からの習慣でそういう働き方になっている場合です。
40代以上の社員に多いですが、昔から生活残業で仕事をやってきたから、急に変えることが難しいんです。
残業代ありきで生活しているから、もうやめるということができないんですよね。
生活残業がむかつく理由と理由に対する対処法5選
では、ここからが本題です。
あなたが生活残業者にむかつく理由と、そのむかつく理由ごとの対策を紹介していきます。
大きくはこの5つに集約されるかなと思います。
- 頑張っている感を出しているから
- 成果は出てないのに評価されているから
- 人の足を引っ張るから
- 残業なのに席にあまりいないから
- 仕事の効率が悪すぎるから
順番に対策も説明します。
頑張っている感を出しているから
最初のむかつく理由が、「頑張って働いている感」を出しているからです。
大したことはしていないのに、「自分は頑張っているんだぞ」というのを生活残業をすることでアピールしてくる。
これめっちゃむかつきますよね。対策は次の通りです。
対策①成果を聞く
その人がやっている成果を聞くといいです。
- 「○○さん何やっているんですか?」
- 「どこまでできました?」
とか相手の仕事っぷりを聞くといいですよ。するとなんだかよくわからない言い訳をして、少し経ってから帰ることがあります。
生活残業がばれたんだと気付くわけですね。
対策②帰りを促す
後はシンプルに帰りを促すのもありです。
- 「○○さん、今日はもう帰っていいんじゃないですか?」
- 「今日中にやらなきゃいけないことって何ですか?」
直接でも、遠回しにでも帰ることを促すと、その場にいづらくなるので帰ることが多いです。
こちらのむかつきも少しすっきりしますね。
成果は出てないのに評価されているから
次にむかつく理由は、成果は出ていないのに評価されているからです。
成果はそこまで上げていないのに、残業時間(生活残業)が多いだけで評価されるのは、かなりむかつきますよね。
対策①上司に相談する
まずは上司に相談しましょう。ですが、結局上司が評価しているわけなので黙認して終わるケースが多いです。
なので、伝える場合のポイントは、
- 「効率性で評価してほしい」
- 伝える相手を上司の上司だったり、その部の部長に言うこと
です。
人によっては、深刻にとらえてあなたの上司に注意してくれますから。
対策②人事にモチベーションが下がっていることを言う
上司があまりあてにならない場合は、人事に伝えましょう。
伝える際のポイントは「生活残業をしている人がいるからモチベーションが下がる」と伝えることです。
もっと言うと、「やめたくもなってくる」と伝えると効果的です。
人事は、人が辞められると補充しないといけないし、採用活動でお金がかかるしかなり面倒くさいです。
なので、できるだけ深刻に物事を運ぶと、むかつく気持ちも解消されますよ。
人の足を引っ張るから
次の理由は、生活残業をすることで、人の足を引っ張るからむかつくんじゃないかなと思います。
例えば、完成してたプレゼン資料に突っ込みを入れて、みんなで残業させるなどですね。
やられた時はむかつく通り越して、心の中でぶち切れましたね。夜予定があったので。。。
対策①味方を作っておく
対策の1つ目は味方を作っておくことです。
生活残業者に足を引っ張られそうになった時に、
- 「上司はそう言ってなかったですよ」
- 「みんなは違う意見ですよ」
とあなたのまわりに味方を作っておくと、生活残業者自体は何も言えなくなるのでオススメです。
対策②時間がないことを伝える
先ほどの例で、普段はまともに仕事をしていないくせにあなたの仕事を増やされそうになったら、
- 「ちょっと他のことで立て込んでて」
- 「今日はどうしても帰らなきゃいけなくて」
とか時間がないことを伝えましょう。
そうすると渋々生活残業者自身がやってくれることもあるので、むかつく気持ちも消えて、一石二鳥です。
残業なのに席にあまりいない
これも結構多いんですけど、本来残業なのでやることがあって、黙々と席に座って作業をしているのが普通なのですよね。
なのに、なぜか席にいないんですよね。
トイレにこもっていたりとか、理由もなく他の人に話しかけに行ったりとかして、「残るなら作業しろよ!」とむかつきますね。
対策①会議多いんですか?と聞く
席にいないことを暗に突っ込みましょう。
- 「会議多いですね」
- 「あまり席にいないですね」
とか直接聞いてみるのもいいでしょう。
もしかしたら相手が逆切れしてくる可能性もありますが、そうなったらこっちのものです。
チームとしても問題にできるということですからね。
対策②上司に相談する
これも上司に相談するといいですよ。そうすれば、後々上司から生活残業者にヒアリングをしてくれることもあります。
先ほどの例で、相手が逆切れしていたらなおさら、上司が事情を聴きやすくなるので、オススメの方法です。
仕事の効率が悪すぎるから
最後は、仕事の効率が悪すぎてむかつくパターンですね。
なので、その人があえて残業のために効率を悪くしているのかを見極めるのがむかつかないコツです。
対策①チームで動くように働きかける
まずはチームで動くように働きかけましょう。
その人一人にやらせてしまうと、かなり時間がかかって、どこまで終わっているのか、ほとんど終わっているのに生活残業しているのかがわからなくなって、次第にむかつくことになります。
対策②期待しない
最後は期待しないことです。
期待して、それが裏切られたときに人はむかつくことになります。
なので自分の仕事に集中して、「あの人は生活残業をするろくでもない人だから距離を置こう」と考えるのがむかつかない方法の一つですね。
生活残業者にむかついてばかりいるとどうなるか
ここまで、生活残業者にむかつく理由とその理由に対する対策を紹介してきました。
正直対策も一時しのぎのものが多いので、あなたが根本的にむかつく感情から解放されることはないです。
では、仕事のなかで、むかついてばかりいるとどうなるんでしょうか?
それを解説していきます。
あなたのストレスがたまる
まずあなた自身のストレスがたまります。
- 「なんであんな奴と一緒に仕事をしなきゃいけないんだ」
- 「ダラダラしててむかつくなぁ」
- 「もっと効率のいいやり方あるだろ」
とむかつきがストレスに溜まります。
仕事のパフォーマンスが下がる
生活残業者にむかつき、ストレスがたまると、意外なことにあなたの仕事のパフォーマンスが下がります。
集中していても、ふとその人が目に入ると集中が途切れたりします。
結果として、メンタルは削られるしパフォーマンスは下がるし、最悪な結果になります。
ストレス状態は短期間、もしくは適度なレベルであれば私たちにとって有益な働きをもたらしますが、長期間に渡って続くと心理面や身体面、行動面にさまざまな変化を引き起こし、最終的にはストレス関連疾患に至る危険性もあります。
https://www.armg.jp/journal/118-2
(アドバンテッジジャーナルより引用)
評価が下がりモチベーションが下がる
そしてパフォーマンスが下がった結果、あなたが思っているより仕事でいい評価がもらえなくなります。
人のことばかり気にしてしまうからですね。
そうなると、仕事に対するモチベーションが下がります。
一方生活残業をしている人の評価が高かったり、昇格していたりするとさらにむかついて、負のループに陥るんです。
【番外編】生活残業しなきゃいけないことにむかつく?
ここで少し閑話休題、というか生活残業をしている側に向けて話をします。
生活残業をせざるを得ないことに関して、むかつくと思っている人はいますか?
もしいたら、次のことの意識してください。
※みなさんはここは飛ばしても大丈夫ですよ。
仕事終わり予定を入れるのがオススメ
一つは、仕事終わりに予定を入れることです。
予定が入っていると、それまでには仕事を終わらせないといけないと思ってある程度効率が上がります。
それに生活残業をする時間もないので、帰ることになります。「入れる予定がないんじゃん」という人は、例えば、
- 一人でもいいから美味しい店の予約を入れちゃう
- ジムのレッスンを入れる
- 野球観戦に行く
とかでもいいと思います。
自分の趣味に合ったやり方を考えてください。
強制的に生活残業をやめる仕組みを作る
要は、強制的に生活残業をやめる仕組みを作るのが大切なんです。
先ほどの予定を入れるケースもそうですが、「帰らざるを得ない」のがポイントです。周りに○○時には帰るから、と伝えておくのもいいです。
そうすれば通常時の作業効率も上がって結果昇給できて、残業をしなくてもいい状態になりますから。
生活残業者にむかつくなら『今すぐ離れて!』
ここまで理由や対策を話してきましたが、ここが一番大事なメッセージになります。
「生活残業者にむかつくなら今すぐその会社から逃げてください」
これ大げさじゃないです。
その理由を今から説明していきます。
負のループに陥って失敗するケースがある
先ほど説明した通り、あなたが負のループに陥って、パフォーマンスも評価も下がることがあります。
そうなると、結果どうなると思いますか?
A.あなたも生活残業者になります。
要は昇給が見込めないから、なんとか残業で手取りを増やすしかないという志向になります。
そうなるとスキルもなかなか身につかず、人生詰みます。
年齢が圧倒的な武器になる
また、今すぐ逃げてほしい理由が、若ければ若いほど圧倒的に年齢が有利になるのがこの世界のルールだからです。
基本的に逃げるとなると転職がまず第一候補になりますが、転職市場は即戦力を求めているとはいえ、若手が欲しいです。
なぜなら、昨今の日本は人手不足(という名の若手不足)なので、若手でも育成すれば大丈夫というマインドになっているんです。
なのでもしあなたの年齢が40後半、50代とかじゃなければ大きなチャンスですよ。
尊敬する人に目が行く会社に行った方が幸せ
平日の8時間×5日の40時間。
むかつく人を目にしながら働く人生と、尊敬する人がいてその人に教わりながらも自分のスキルを上げていく人生。そこにむかつくという感情はない。
どちらの人生が幸せそうですか?
もちろん後者ですよね。
であるなら、むかつく人自体を無理に変えようとする労力を転職に使いましょう。
「生活残業者にむかつくから」は転職理由になる?
では、仮に転職活動を始めるとして、「生活残業する人が多い」とか「生活残業者がむかつく」というのは転職理由になるんでしょうか?
それだけだと理由にならない
結論、それだけだと理由になりません。
さすがに若くても、「この人は責任転嫁するから、すぐまた転職しそうだ」と思われて面接で落とされてしまいます。
なので、それを理由の軸に置くのはNGです。
生活残業者にむかつく理由を深堀しよう
ではどうすればいいかというと、まずはむかつく理由の深堀をしましょう。
むかつく理由が人の足を引っ張ってくることなら、
「タスクに集中できる環境じゃなく、成果が正しく反映されない」
とか、むかつく理由が効率が悪いことなら、
「自分の効率化の提案がなかなか通らない風土になってしまっている」
など置き換えると、面接官も納得してくれます。
ポジティブな理由+あなたの本音が面接官の心をつかむ
ただ、そのネガティブな理由だけを伝えるのはNGです。基本は、ポジティブな理由を転職理由にしましょう。
例えば「様々な製品に携われることができ、その製品ごとに必要なスキルを身に付けることで、社会人としてできることの幅を広げたかった」というポジティブな理由を語りましょう。
その上で、「実はもう一つ本音を話すと、、」と先ほどのむかつく理由の深堀した部分を話しましょう。
これで完璧です。
面接官としては、ポジティブで好印象ですし、本音も伝えてくれたから誠実で、うちに入っても辞めなそうだな、と思ってくれるんですよ。