このような疑問を解決します。
普段は人事として労務管理と中途採用をしています。
今回は15年間公務員経験のある先輩に徹底的にヒアリングした結果をまとめました。
公務員の生活残業、その実態とは?
生活残業とは一般的に、生活費を稼ぐためにダラダラと仕事をして意図的に行なう残業とされています。
必要に追われて仕方なく残業を行なう従業員を「隠れみの」にして、会社組織から資産を奪う行為と言っても過言ではありません。
もちろん公務員の世界にも存在する
もちろん公務員にも残業はあります。
税金を収入源とする公務員の世界においても、同様のことが起きています。
霞が関のキャリア官僚だけでなく、地方自治体でも日常的に行なわれており、付き合い残業や生活残業といった残業も存在します。
公務員の世界では、これらをまとめて時間外業務と呼ぶことが多いので、生活残業の実態が見えにくいです。
サラリーマンにも共通しますね。
公務員の特技としての生活残業
公務員の特技としてよく挙げられるのが、取り繕いです。
公務員は納税者からクレームを受けないよう、何事も表面上をキレイに見せることに長けています。
生活残業を行なう公務員は、そのような取り繕いを所属長に対しても行なっているんです。
しかし、部下の仕事の進捗を完全に管理することは現実的に困難です。具体的な進捗状況は本人しか分かりません。
そんな状況を悪用して自らの業務量を過大にごまかし、生活残業を繰り返すのです。
【意外】公務員慣れするとヤバい現実
たまに公務員出身の人の面接もするのですが、公務員慣れしている人は以下の共通点があります。
- 独特の業務の仕方になっている
- 年齢の割にスキルが圧倒的に足りない
- テンプレの応答しかできない
ただ、20代~30代前半であればそこまで感じません。
「公務員で働き続けることに違和感を抱いている人」は生活残業で人生を浪費しないでください。
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なぜ公務員に生活残業が発生するのか
話を戻しましょう。
生活残業の実態を説明しましたが、なぜ公務員の世界でも生活残業が発生するのでしょうか?
発生の理由は大きく3つです。
給与体系と副業の禁止
公務員は安定した職業でありながら、賃金水準は高くないです。
国家公務員や都道府県レベルでは、1年以上もの時間を費やし、狭き門の採用試験をクリアしているので、国内の大手企業と引けをとらないほどの入庁試験でしょう。
そんな苦労にも関わらず、特に若手の公務員は年功序列型の給与体系の中で賃金が低く抑えられています。
スキルを活かした副業をしたくても法令によって副業が禁止されているため、収入面で不満を抱く職員が生活残業に勤しむケースが見受けられます。
この副業禁止がサラリーマンとの大きな違いですね。
仕事量の多さ
行政機関では、常に予算削減や業務の効率化を求められます。
一方、地域住民のニーズに応じて業務量が増加傾向であるため、人員が慢性的に不足しています。
そのような状況では、自然と長時間労働と残業が発生しやすく、生活残業の「隠れみの」ができあがっています。
職場の文化
公務員に限った話ではありませんが、日本の職場の文化として、
- 定時の帰宅は許されない
- 長く職場にいることは、忠誠心や努力の証
- 残業で成果を出すのは出世の条件
といった風潮があります。
これにより、受動的な付き合い残業が発生し、意図的な生活残業にまで発展するケースもあります。
時間外業務は申告制(原則)
公務員の世界では、時間外業務を行なう際、事前に所属長の許可が必要となるところが多いです。
「○○の業務が終了していませんので、△△時間の残業の必要があります」
という形で所属長に事前に許可を求める原則ですが、あくまで建前になっています。
平日の勤務では、午後5時頃の終業時刻からそのまま時間外業務を行うことが一般的です。
申告する人の方がおかしいくらいの勢いですかね……
日常的に残業が発生している部署では、わざわざ許可をもらうこともなく、所属長も黙認しているところが多いのでしょう。
公務員の中でも生活残業が発生しやすい部署はあるのか?
公務員の生活残業が発生しやすい部署はどのようなところでしょうか?
【結論】組織が全体的に忙しい
結論として、組織全体が多忙です。
霞が関の高級官僚や、地方自治体の中枢部などが特にこれに当たります。
業務内容としては、国家・地方を問わず議会対応の時間が重荷の一つです。
組織全体で時間外業務が常態化していますので、所属長は生活残業にまで目を光らせることができません。
楽そうに見えても意外な落とし穴がある
全体的に業務が落ち着いている部署にも、落とし穴があります。
「出先(でさき)」と称される地方機関では、業務が比較的落ち着き時間外手当も少ない傾向があります。
そんな中では、家族の事情で配置された若手や有能な職員には、時間外業務が発生するほど業務が集中してしまいます。
そんな有能職員が日常的に時間外業務を強いられる陰で、生活残業を企てる職員が発生します。
優秀な従業員のやる気もなくなるわな……
【公務員視点】生活残業のメリット
以上のように発生する生活残業ですが、その具体的なメリットは一体何でしょうか?
ここはサラリーマンにも共通しますよ!
大きくは3つあります。
給与の割高感が気持ちいい
生活残業は、その時間外勤務手当を目的としていますが、どれくらい支給されるでしょう?
一般的なモデルを示します。
例:月給35万円の中堅職員、毎月160時間(8時間×20日)の勤務時間
時給を換算すると、
350,000円÷160h=約2,190円/h となります。
時間外勤務手当は通常の勤務時間の約1.25倍なので、2,190×1.25=2,740円/hです。
毎週の平日3日間で2時間ずつの生活残業を行なうと、月に24時間で約65,000円の金額となります。
時間外勤務は翌月の明細で「時間外勤務 〇〇,〇〇〇円」などと表記され、その割高感から一定の充実感を得てしまいます。
電話が鳴らないから気楽
国家公務員や地方自治体では、それぞれ定められた就業時間があります。
終業時刻(午後5時頃)を過ぎると、基本的に外線電話に対応する必要はありません。
そのため、生活残業中は雑音なしの快適な時間となります。
私も電話対応は吐くほど嫌いです笑
帰宅ラッシュを回避できる
勤務終了時刻となると、小さい子どもを持つ職員などは駆け足で帰路に就きます。
しかし、基本的に官庁の建物は都市の中枢に構えていることが多く、電車の帰宅ラッシュや交通渋滞に巻き込まれます。
行きも帰りも満員電車地獄……
そんな苦労する職員を尻目に行なわれる生活残業ですが、独身者であったり子どもが手を離れたなど、比較的自由な時間が持てる職員に多いです。
公務員の生活残業への対策と展望
公務員の世界で横行する生活残業をなくすには、どのような対策が有効でしょうか?
【対策】副業を解禁すること
自らの力で稼ぐことができる有能な公務員には、副業を解禁することが有効な対策です。
ですが、各省庁や地方自治体レベルでは不可能です。
それは、公務員の副業は国家公務員法及び地方公務員法で禁止されているからです。
国家公務員は国家公務員法第103及び104条により、地方公務員は地方公務員法第38条で営利目的の副業が規定されます。
禁止の理由は次のものが挙げられます。
公務員は国家や国民、市民のために働く「奉仕者」としての使命を担っているため、私企業に務めて報酬を得る行為は慎む必要がある。
もう少し見ていきましょう。
公務員は国民に対し義務の履行を求める立場でもあるため、特定の業種や会社と金銭関係で繋がるような行為は許されない。
と要は「国のために働いているわけだから公務員業務に集中せい!」と厳しいわけです。
こっそり副業を行なって懲戒解雇や停職、減給処分などの処分を受けるよりは、生活残業にコツコツ励んだ方がよほど効率的なのです。
【展望】公務員の副業禁止はまずなくならない
「公務員の副業を解禁して、有能な公務員を留めておくべきだ」という意見もありますが、これはかなり困難です。
この法律に関連する省庁のキャリア官僚の方たちは、日本でも有数のブラック職場です。
そのため、副業解禁の必要性が感じられないのでしょう。
偉い人たちは副業しなくていいくらいもらっているからですね
また、「公共性が損なわれる!」といった保守層からの意見や副業解禁のリスクを鑑みて、国全体が二の足を踏んでいるんです。
今後の展望としては、極めて部分的に副業が解禁される可能性はありますが、政府によるお茶を濁した対応が続くはずです。
※例外的に認められているケース
公務員でも可能な副業は存在しますが、その際は必ず職場長の許可が必要となるでしょう。
昔から認められている副業で代表的なものは、
- お寺
- 農家
で家業を継ぐケースですが、大きく稼げる可能性はないです。
しかし民間会社での副業解禁を受けて、公務員の世界も少しは変わってきています。
先進的な自治体では、インフルエンサーやブロガーとして、その自治体の情報を発信する場合にも副業が認められるようになってきています。
副業解禁しても存在するであろう生活残業
万が一に副業が解禁されても、副業を始めるのは一部の有能な公務員のみです。
稼ぐスキルや勇気のない職員は、可能な限り生活残業を続けることになります。
生活残業に浸っている公務員には、稼ぎを得るためのノウハウが全く養われていません。
カオスでしかない……
【苦悩】どんどん苦しくなる公務員
働き方改革により、就業時間の見直しの中でも残業時間には、厳しい目が向けられます。
人口減により税収が先細って行く中で、とりわけ公務員の時間外勤務これまで以上に厳しく見られるでしょう。
公務員の業務は減るのか?
新型コロナウイルスの影響で、国家・地方問わず多くの公務員が初めて経験する関連業務に駆り出されました。
ですが、もともと福祉や公共的な削ることができない「義務的業務」が多いので、業務が減ることはありませんでした。
しかし、公務員の世界にはテクノロジー技術を遠ざける風潮が色濃く残っています。
テクノロジーを駆使しなくても、税収で生きていける世界だからです。
また、職場の定数減にでもなるようならば、職場の労働組合が猛烈に抗議を行なってきます。
このような理由で、公務員業務においてはテクノロジー技術がなかなか浸透しないんです。
なんだかうちの会社も似ているな……
ますます肩身が狭くなる生活残業
以上の理由で、公務員の時間外勤務はなくなることはありません。
所属長や上司による厳しいマネジメントのもと、時間外勤務はより厳しく管理されるでしょう。
今後は、「正規の勤務時間内で、仕事を終わらせるべき」という空気のもと、残業することでマイナス評価を下される可能性さえあります。
そのような状況で、これからも生活残業が成り立つでしょうか。
公務員業務の抜本的な見直しが行われない限り、これから増加するのは所属長や上司の目を盗んで行なうサービス残業でしょう。
スキルも身につかない、お金も入らない……最悪ですね。
公務員からの転職はもったいない?
公務員からの転職を考えている人が、周囲から必ず言われる言葉があります。
「公務員を辞めるなんて、もったいない!」
外から見る公務員生活は、それほど魅力的に映るのでしょう。
若手公務員はリスクを認識し始めている
公務員特有の業務にやりがいを感じる職員もいますが、公務員業務は確実に苦しくなっています。
生活残業のメリットはあくまでも一時的なもので、人生にとっては損です。
将来を見据える若手公務員は、日々の業務でビジネススキルが身に付いていないことに焦りを感じるとともに、「公務員であることのリスク」を認識し始めています。
時間が経つと未来の可能性がなくなる
公務員で培ったスキルや技術が民間の会社では評価されにくいですし、公務員で居続ければ居続けるほど次のステージに行きにくくなります。
転職活動にリスクはないので、公務員が転職活動を行なっても、懲戒処分は受けません。
公務員の副業解禁に期待するのか、自ら未来を切り開くのか、決断するのは公務員自身です。
「公務員で働き続けて手遅れになりたくない人」へ
日本は衰退しています。終身雇用も破滅に向かっています。給料も下がっています。
そんな中、いざ仕事がなくなったらどうなるか?
生き残るのは、必要とされるスキルを持っている人です。
- 英語で仕事をする能力
- 新しい商品を生み出す企画力
- 時代についていくためのAI活用等
これらをスキルとして持っていれば、正直どんな会社でも生きていけます。
「公務員として働き続けて手遅れになりたくない人」は今すぐに動き出してください。
「あなたの本当にやりたいこと」と「企業が求めている人」を直接見ている転職エージェントに任せれば、きっと転職は成功します。
ハイクラス・ミドルクラス転職
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仕事柄、色々な転職エージェントと接点がありますが、私が登録するならココ一択です。
他の大手転職エージェントにはない強みがあります。
今より明るい未来を迎えるための行動の後押しができていたら幸いです。
読んでいただきありがとうございました!