- 生活残業を注意されるのってなんで?
- 注意された時の対処法は?
- 生活残業を続けるのってヤバい?
こんな疑問を解消できる記事になります。
普段は3万人規模の会社の人事として、労務管理や採用をしています。
このご時世、賃金も上がらないし「生活のために残業するしかない」って気持ちになりますよね。残業代0円だと、とてもじゃないけどやりたいことができないので、実際私も生活残業をしていたことがあります。
今回は「生活残業を注意された」という人に向けて、注意される理由や注意された時の対処法を人事の視点から説明します。
「このまま生活残業を続けていていいのだろうか?」という悩みの解決にもなりますので、参考にしてみてください。
生活残業を注意される理由
どうして生活残業を注意されてしまうのか、改めて理由を確認しましょう。
正直どれも、「自分にとっては関係ない!」と思うかもしれませんが、後の章でも思い出してもらいたいのでここで書いておきますね。
企業の利益にならないから
基本的に、「残業=やむを得ない場合のみ業務を行うこと」です。
企業が従業員に残業をさせるのは、会社の利益になるからですね。逆を言うと、成果を生み出していない残業は会社の利益どころか損失になります。
上司は管理職なので、会社側の人間です。なので、生活残業を注意せざるを得ないんです。
周りのモチベーションを下げるから
「自分はやることが山のようにあって残業していて、○○さんはやることがないのに残業している」と周りに思われてしまうと、チームとしての士気が下がります。
「仕事の量に関わらず同じ給料なのが納得いかない」と思う社員が仕事に対するやる気をなくしていきます。そうなると上司は放ってはおけないので、注意することになります。
あなたのことが気に食わないから
これはシンプルに上司に嫌われているパターンですね。ぶっちゃけ何をしても、注意してきたり細かいことをグチグチ言ってくる上司もいます。
いわゆる上司ガチャに外れたらこうなります。
自分はバリバリ仕事をして、定時できっぱり帰って、ワークライフバランスも最高に整っているぜ!みたいな上司からしたら、生活残業をしているあなたが気に食わないんでしょうね。
生活残業を注意された時の対処法
では、実際に生活残業を注意されたらどのように対処すればいいかを解説します。
根本的な原因の解決にはならないので、その場しのぎの言い訳のイメージを持っていただければと思います。
仕事があることを主張する
王道の対処法ですね。生活残業をしていることを注意されたら、「自分にはやるべき仕事があるんだ」と意地でも主張してください。残業=やむを得ずやる必要がある仕事ですから、やむを得ない理由を伝えましょう。
例えば次のような言い方もありです。
- ○○さん(上司)に頼まれた仕事が意外と時間かかってしまって
- 作りかけのデータが消えてしまって
- ××さんに捕まって、作業できてなくて
- 来週は早く上がろうと思っているので
ポイントは、「自分のせいじゃないけどやらなければいけない理由がある」ということです。
おとなしく帰る
もしも注意されたら、おとなしく帰るのも手です。強く反発してしまうと、さらに目をつけられてしまうので、冷静に言うことを聞いてみてください。
ポイントは、すんなり受け入れてしまうと「やっぱり帰れるんじゃん」と思われるので、いったん仕事が残っていることは伝えることです。
会社側に問題があることを伝える
この対処法はオススメしません。
生活残業をする理由としては、残業代がほしい(もしくは家に帰りたくない)からですよね。じゃあ残業代がいらないくらい会社側が待遇をよくしてくれればいい話ですよね。それを上司に伝えてしまうんです。
上司は一瞬ひるむかもしれませんが、ヤバい奴認定されるので基本的にやめておきましょう。
生活残業をしている人の割合
生活残業を注意された時の対処法は何となくわかったと思います。ポイントは、「自分のせいじゃないけど、やらなければいけない理由がある」です。
※自分のせいじゃないことを、そのまま言うと「人のせいにしてんじゃねぇ」って言われるので注意です。
では、ここで改めてどれくらいの人が生活残業をしているかを見てみましょう。
どれくらいの人が同じ悩みを抱えているのか。。。
生活残業の経験者
まずは生活残業をした経験のある人の割合ですが、個人的にヒアリングした経験+肌感覚になってしまいますが、5人に2人、つまりざっと4割程度の人がやっているという結果がわかりました。
ただ、生活残業している人の中には、「自分は生活残業をしている」と言いたくない人もいるでしょうから、実態はもっと多いと考えています。
年代別の結果
生活残業をしている人の年代は、次のようになっています。
30代が一番多く、次いで40代、その次に20代が来ています。
年代ごとの主な理由
それぞれの年代で生活残業をする理由は、次のようなことが考えられるなぁと思っています。
話を聞く中でも、多くの人が以下を理由に挙げていました。
- 20代:特に帰ってもやることがない/先輩より早く帰りにくい
- 30代:子どもの教育費/残業を前提とした住宅ローン
- 40代:子どもの教育費/生活費をまかなう必要がある
- 50代:早く帰ってもやることがない/昔からの癖
あなたも思い当たるふしはあるんじゃないでしょうか?
生活残業を注意されたら実はヤバい?
見ていただいて分かる通り、生活残業をする人は決して少数ではないですよね。
「なんだみんなやっているじゃないか」と安心したかもしれません。でもですね、実は生活残業をしていて注意されるケースっていうのはサラリーマン人生のピンチでもあるんです。
理由を説明します。
生活残業がクセになっているから
1つ目は、生活残業がクセになってしまっているからです。
生活残業を注意されるのは、それが1日だけではなくて、毎日毎日継続してやっているからです。つまり、あなたの中でクセになってしまっていますよね。
そうすると、生活残業しないと生活が成り立たない→
けど注意されるから帰らなくちゃ→
けど残業代がほしい→
また会社に残る→
また注意される。
というような永久ループに陥り、ダメダメサラリーマンのレッテルを貼られてしまうんです。
社内の評判が悪くなっているから
2つ目。人事をやっていて分かるのですが、上司が自ら生活残業を注意するのはレアです。
なぜなら、上司もあなたとの間にいざこざを作りたくないし、そもそも注意する暇もないからです。
でもなぜ注意するのか?それは上からの圧力です。部長やさらに上の役員が「お前のところの○○は成果だしてないのに、残業時間長くないか」と気付き、そこで初めて上司があなたに注意するのが王道です。
つまり、上司があなたに注意した時点で、社内(部長クラスや人事等)のあなたに対する評判は悪くなっています。
だからかなりヤバいんです。
生活残業を注意されたら、いち早く転職して
では、生活残業を注意されたらもう終わりなのか?
ですが、そんなことはありません。その会社では、正直終わりかもしれませんが世の中には会社がたくさんあります。なので、今の会社を離れて、転職すれば何とかなります。
それも、生活残業を注意された人は、いち早く動く必要があります。
その理由も説明しますね。
年齢が若いほど有利だから
ほぼ毎日中途採用の面接をしていて分かるのですが、年齢が若い人ほど圧倒的に有利です。
肌感ですが、1歳若いだけで面接通過率が10%くらい上がります。なぜか?
面接官はベテランや職制が多いので「俺が育成できる」と考えがちだからです。少し面接内容が微妙でも、若いから何とでもなるんです。
逆に年がいっていると、能力が高くても「この年齢から育成はきついよね」とかなり簡単に落とされます。
同じ業界は世界が狭く意外とバレるから
転職は同じ業界、例えばメーカーからメーカーに転職する人が多く、通過率も高いです。なぜなら、その方が会社に馴染みやすく、会社も「うちも似ているから合いそう」と判断できるからです。
この世界が狭いのがアダとなります。要はあなたが中途採用の申込をして、その会社にあなたを知っている人(元社員や人事)知り合いがいる可能性が高いんです。
あなたが生活残業をたくさんしているイメージが定着してしまうと、噂も伝わり、簡単に不合格となります。
- 応募してきた人仕事ができないらしい
- 現職で無駄な残業注意されたらしいよ
- 今回はとりあえず不合格でいいと思う
中途採用に携わっていると、こんな会話は日常茶飯事です。思っている以上に世界は狭いです。
なので、生活残業を注意されたら、そのイメージが定着する前にいち早く動いてください。
転職したら家族や趣味の時間が増えるから
元々、あなたが生活残業している理由って何でしょうか?残業代を稼ぐ理由はなんでしたか?
もし家族の生活費のため、趣味のためだというなら、転職をしましょう。年収アップの転職を成功させたら、生活残業している時間を家族と過ごせます。
いつもより1時間早く帰って、子どもと話せます(給料は変わらずに)。いつまでも生活残業で人生を浪費させていては、あなた自身が不幸になります。かけがえのない貴重な時間を、あなたの好きな人やことに使いましょうよ。
生活残業を注意された時のポイント
今回は、生活残業を注意された時の対処法をメインに紹介して来ました。
これを読んで、生活残業について考えて、行動を起こしていただけたら幸いです。今回のポイントは以下になります。
・生活残業を注意されたら、やらなきゃいけない理由を伝える。
・でも生活残業を注意された時点でかなりヤバい
・生活残業から脱するためには、いち早く転職する
生活残業に関する悩みがなくなることを願っています。
読んでいただきありがとうございました。