こんな疑問を解消します。
普段は日系企業の人事として、労務管理や採用をしています。
周りで生活残業をしている人がいると、こちらのモチベーションが下がりますよね。
イライラもして、「生活残業をやめさせたい!」と思いつつも、なかなか伝えることは難しいんじゃないでしょうか。
人事をやっていて相談を受けることも多いです。人事としてもかなり難しい問題なんですよね。
ですが今回は、やめさせる方法があるとすればコレ!というのをお伝えします。
生活残業者が周りにいる人の声
具体的なやめさせる方法に入る前に、生活残業でイラついている人の声を聞いてみました。
例えば次のようなケースがあります。
- 自分に仕事が降って来る
- 忙しそうにしているのがむかつく
- トイレ休憩が多くてうざい
あなたも感じたことがあるんじゃないでしょうか?
自分に仕事が降って来る
「生活残業をしている人が周りにいると、自分に余計な仕事が降って来る」
そう嘆く人がいます。
たいしたことをやっていないのに、無駄に残業時間がかさばっているから、上司から理不尽に仕事を振られてしまうケースですね。
きちんと仕事をしている人が報われるべきなのに、ダラダラ残業をしている人がさらに楽をしていることにむかつく人もたくさんいました。
忙しそうにしているのがむかつく
「持っている仕事はそんなに多くないのに、なぜか忙しそうにしている姿がむかつく」と言う人も多かったです。
定時を過ぎてから、無駄に慌ただしく行動をしてみたり、何のためのデータかわからない資料を広げてみたりしている姿を見ると、苛立ちますよね。
こっちはテキパキ働いて、早めに帰ろうとすると「もう帰るんですか?私はまだやっているのに」と言わんばかりの顔で見てくる生活残業者もいます。
トイレ休憩が多い
「やたらトイレ休憩が多いし、一回が長い」と不満を言う人もいました。
たしかに、何回席を立ち上がるんだっていう人もいますし、会議でもないのに所在がわからなくなる人もいますよね。大抵やることが少ないけど生活残業をしたいので、うまくトイレ休憩を使って時間調整をしているんですかね、きっと。
それでいて、定時後に「早く帰れ」と言われても「まだやることが残っています」と言い切るのが、生活残業者の特徴です。
共感した人は即行動した方がいい
急に話が変わりますが、周りに生活残業者がいる人の声に共感した人へ。
「転職して、環境を変えたほうがいいです」
転職すると、苦手な人のことを考えずに済みますし、むしろ好きな人や尊敬する人と仕事できるようになります。
「広告かよ」と思う人は読まないでいいですが、現実を伝えます。
現役人事の私から言わせると、今の状態を続けると、いずれあなたも同じような人間になります。
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個人レベルで生活残業をやめさせる方法
話を本題に戻しますが、忌まわしき生活残業をどのようにやめさせることができるのでしょうか?
残念な真実からお伝えすると、個人レベルで生活残業はやめさせられません。
何年も人事をやってきて分かったのですが、これが現実です。
生活残業をやめさせられない理由については後で説明します。
その前提で、あえてやめさせる方法を挙げるなら、以下の6つかなと思います。順にハードルが高くなります
- 軽く忙しいかどうか聞く
- 仕事をお願いしてみる
- 上司に相談する
- 人事に相談する
- 本人にブチ切れる
- 自分の退職をにおわせる
順に解説します。
軽く忙しいかどうか聞く
まずは簡単な方法から。生活残業をしている人に忙しいかどうかを聞く方法です。
定時後残業をしている時に「忙しいですか?」と聞いてみましょう。おそらく、「まあ、そこそこ」とか「ちょっと忙しい」とか微妙に肯定をされるはずです。
ここで、気まずいと感じてくれれば生活残業をやめる人もいますが、かなりレアケースですので、基本的にはあまり効果がないでしょう。
仕事をお願いしてみる
生活残業だと確信を持っている場合、あなたからその人に仕事を振ってしまうのもアリです。
特に、あなたが仕事を抱えていて不満な状態であれば、積極的に仕事を振りましょう。
ですが、ここでもおそらく「○○会議用の資料を作らなきゃならないんだよね」とそれっぽい言い訳でかわしてきます。そうなると時間の無駄なので、この方法は諦めましょう。
上司に相談する
仕事を振っても断られ、無駄な残業を続けていたら、次は上司に相談しましょう。
その際は、具体的にあなたがどういう業務を抱えていて、どの仕事を振ろうとしたら、何といわれて断られたかを伝えることです。
詳しく伝えることにより、上司も「それは無駄な残業だな」とか「あいつはそんなに忙しくないはずだぞ」と気づいてくれるからです。
ですが、大抵の上司は動いてくれないので、次の方法に行きましょう。
人事に相談する
上司がダメなら次は人事に相談です。明らかに無駄な残業をしていて、周りのモチベーションが下がっていることをきちんと伝えましょう。
人事としては、チーム全体の士気が下がるのは避けたいので、何とかしようと考えます。
ですが、欠点が2つあります。1つ目は、「人事の中で優先度が高くない」こと、2つ目は「告発したあなたが要注意人物だと思われてしまう」点です。
ちょっと補足します
人事が処理しきれないことが多い
人事部門は基本的に目の前の課題が第一優先です。
とにかく人を採用する。労基署対応をする。
こういうことで頭がいっぱいです。なので、一従業員が生活残業をしている従業員について相談してきても、それは優先度が低いので後回しにされて終わるんです。
ざっとアンケートを取りましたが、やっぱりほとんどが人が足りず、優先順位が高いことしかできていない状態でした。
要注意人物だと思われる
あなたが周りのためを思って告発しても、会社は「面倒くさい人だな」と思うことが多いです。要は生活残業は黙認をしているのが楽なんですよ。
あえて注意してくる人は、ちょっと変わっている人だというレッテルを貼られてマーキングをされてしまいます。
本人にブチ切れる
かなり究極な方法になってきましたが、本人にブチ切れるのも効果がある場合があります。
これまでの方法でお伝えした通り、基本的に状況は変えられません。なので、状況を変えるくらい衝撃的なことをするのが大事なんです。
上司も人事も、「これは放っておけないぞ」と思ってはじめて動いてくれますから。
自分の退職をにおわせる
もしあなたが優秀な従業員であるなら、上司や人事に退職をにおわせるのもありです。
「生活残業をしている人がいて、モチベーションが下がって業務に支障が出ている。会社を辞めるのも選択肢になっている」と伝えると、大抵焦ります。
上司にとっては、優秀な人財をやめさせてしまったという失敗になりますし、人事もまた人を取らないといけないと考えるからです。
逆に、焦らなかったらその会社は一秒でも早くやめましょう。
生活残業をやめさせようとした人の体験談
これまで、生活残業をやめさせる6つの方法を紹介して来ました。
では、実際にやめさせようとした人はどんな結末になったんでしょうかね?
人事のつてで、3名に話を聞くことができたので、紹介しますね。
反論されて関係が悪くなった
【生産部門男(32歳)より】
同じチームに無駄な残業をしている40代の社員がいました。
明らかに離席が多く、定時後になると忙しなく資料を漁り始めている姿を見て、苛立ちが抑えられなくなりました。
自分が多くの仕事を抱えていたこともあり、ある日その社員に「○○さん、この仕事受け取ってくれますか?今忙しいんですか?」と聞いたところ、「役員向けの資料作成で忙しいんだよ。見ればわかるだろ」と言われてしまいました。
そこから、その人とはこれまで以上に関係が悪くなり、話すのも面倒くさいという関係になってしまいました。
典型的な仕事がやりにくくなるパターンですね。。。
上司から諭された
【経理部門女性(28歳)より】
私のチームは3名体制なんですが、そのうちの1名がダラダラと仕事をするんです。
悪い人ではないんですが、資料のフォントや色、句読点など異常なまでに作り込んでいて、絶対に無駄だろうという仕事の仕方をしているんです。
他の仕事もやってほしかったので、上司に相談したところ「あの人は資料の作り込みにプライドを持っているからねぇ」と諭されて終わりました。
上司もその人との関係が悪くなると仕事がしにくくなるので、何も言えないんですかね。
基本動いてくれない上司がほとんどですよね。
早く帰るようになったが仕事が増えた
【マーケティング部門男性(29歳)】
年度始まりのタイミングて、ほぼ同い年の人が中途で入社して来ました。
中途入社で早く帰るのが気まずかったのか、やることがないのに長く残りがちな人でした。
一度、「やることが終わったら早く帰っていいよ」と伝えると、それ以降本当に早く帰るようになりました。
それはいいんですが、チームとして仕事が増えた時も手伝ってくれず、早く帰ってしまうので、結局前より心理的にきつくなったと感じました。
そういう人にとっては、残業=楽に稼ぐためにやるものというイメージがあるんですかね。きついならやらない、的なね苦笑
なんか伝え方って
難しいですよね。。。
生活残業をやめさせるのは無理な理由
ここまで、生活残業をやめさせる方法を紹介して来ましたが、基本的にやめさせるのは無理だということがわかっていただけたかと思います。
では、どうして生活残業はやめさせるのは無理なんでしょうか。
大きく5つの理由があります。
上司も人事も面倒くさいから
これが正直一番です。生活残業をやめさせるとなると、時間を割いて、相手を気遣って、周りも気遣ってコミュニケーションを取らないといけません。
それでもって、伝えた所でやめるとは限りません。(95%やめないです)
はい、かなり面倒くさいですよね。多少イライラしても黙認する方が圧倒的に楽なんですよね。
基本給が低いのをどうしようもできないから
生活残業をやめさせようとして、伝えたとしても
- 「基本給だけじゃ生活できない」
- 「○○さん(上司)ほど給料をもらってないから」
と言い返されたら苦しいです。相手の言うことも一理あるので、やめさせる側が弱くなってしまうんですよね、、、
じゃあ仕事頑張って昇格しろよと言いたくなる気持ちもわかりますが。
それで成りあがった人がいるから
昭和スタイルで働いている人は、基本的に残業はするものとして刷り込まれています。
要は上司や偉い人側は残業=いいことだと思い込んじゃっているんです。
生活残業だろうと何だろうと、会社に残っていることで献身的だとみなされる風土があるとやめさせられないですよね。
生活残業の証拠がつかみにくいから
実際、生活残業をやめさせようとしても確実な証拠がないことがほとんどです。
月に30時間残業して、その間の成果が何もなければ証拠になるかもしれないです。ですが、多少資料を作った、データをきれいにした、みたいな微かな仕事でも、仕事とみなされるので「それは無駄な残業だ!」とツッコみにくいんです。
それでツッコんで、逆に訴えられたら会社は負けますからね。
退職させるのは難しいから
もっと言うと、生活残業するような人はそもそもクビにしたらいいんじゃないかと思う人もいます。
それは99%、いや100%無理です。
外資系ならあり得ますが、日系企業ではまず社員をクビにはできません。
なぜなら、
- 証拠がないから
- 証拠があっても、一人をクビにしたら会社全体を調査しないと行けないから
なので、クビにはできないんです。
ちなみにですが、
自分が変わる方法を考えないと絶対に損
読んでいただいて、生活残業をやめさせることは現実的ではないと理解いただけたと思います
「じゃあこれからもイライラし続けるのを、黙って我慢すればいいのか?!」と言うと、そうではありません。
人を変えようとするのは時間の無駄
そもそも、人を変えようとするのは時間の無駄です。
変えるための行動をしたとしても、実際に生活残業をやめるかどうかはその人次第であり、ほぼ辞めることはないです。
なので、とっとと考え方を変えて、自分が変わるようにシフトしましょう。
あなたが転職してしまうのが早い
一番手っ取り早い方法は、環境を変えることです。要はあなた自身が転職しちゃえばいいんです。
「部署を変えてもらうのはどうか?」という意見がありますが、オススメしません。なぜなら、他の部署でも絶対に同じような人がいるからです。同じような上司や人事が管理しているからです
なので、転職活動をして、例えば次のような環境を目指すといいですよ。
- 残業がそもそもほとんどない企業
- 外資系の企業
- 裁量労働制の企業
市場価値を知る所から始めよう
とはいえ、いきなり転職活動っていうのもハードルが高いですよね。
そんな人は、まず自分の市場価値を知るために転職サービスに登録するところから始めてください。
必ずたくさんのスカウトが来るので、「あんな奴と一緒にいて我慢する必要ないじゃん」「いつでも活躍できる場所に行ける」と思えるだけでも、気持ちに余裕が出ますよ。
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生活残業をやめさせるのは無理なので自分が変わろう
今回は、個人レベルで生活残業をやめさせる方法を紹介してきました。
読んでいただいて分かる通り、基本的にやめさせるのは無理だということがわかったと思います。
ですが、ここで「無理なんだ」とモチベーションを下げてしまっては、生活残業組仲間入りへの第一歩です。そうなる前に行動しましょう。
最後に一番伝えたいメッセージです。
「今の会社に違和感を抱いている人」は、若い今の貴重な時間を浪費するのはやめましょう。
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読んでいただきましてありがとうございました。