今回はこんな悩みを解消する記事です。
普段は日系企業の人事として、労務管理や中途採用をしています。
「生活残業をする人はずるい!」
こっちは残りたくもないのに残って、必死で残業をしているのに、方ややることもなくダラダラと残業をしている。
そんな人を見ると「ずるい!」って思いますよね。ずるい通り越して「ふざけんな!」と思うかもしれません。
今回は、生活残業をする人はずるいかどうかに焦点を当て、ずるいと思った時に取るべき行動まで紹介します。
生活残業する人はずるい?
生活残業=何の成果も生み出さない生活のための残業です。
たしかに、何もしていないのに給料をもらう(それも割増の)ってずるいと感じますよね。
まずは結論ずるいのかどうかをお答えします。
99%の人がずるい人
生活残業者は99%がずるいです。
まあ、ほとんどすべての人がずるいと思ってもらってOKです。
本当は帰れるはずのところを、帰らずにちびちびとお金を稼ぐのはずるい人以外の何物でもありません。
会社のずるい人代表です。
ちなみに、もっと酷く書いている記事も書いています笑
残り1%はずるくない人
ただし、実は残りの1%はずるい人には当てはまりません。
詳しくは後ほど解説いたしますが、例えば、
- 会社に生活残業の風土がある。
- 突発業務があって自分だけ帰りにくい。
- どうしても残業代がいる。
などの場合は、ずるいとは言い切れないかなと。
生活残業をしているずるい人の思考
では、生活残業をしているずるい人の思考はどのようなものがあるのでしょうか?
私自身も過去生活残業をしていて、次のようなことを思っていました。
生活費を楽に稼いでやる
会社員として働いているなら、どれだけ頑張ってももらえるお金は変わらない、ならば楽に稼いでやろうと思って生活残業をする人が多いです。
これが起業家やフリーランスならもちろん、やった分だけ返ってきます。
ですが、サラリーマンはよくも悪くも、成果によって給料は大きく変わらないですからね。
できるだけ体力は使わない
これは私が考えていたことですが、できるだけ体力を使いたくなかったです。
基本的にプライベートを優先したかったので(と言いつつやりたいこともなかったのですが)できるだけ体力を温存していました。
なので、業務をわざと遅らせて、仕事をもらわないようにしたり、少ない量の仕事を少し残業にかかるくらいで終わらせるようにゆっくりとやっていました。
今考えるとずる過ぎますね。
評価は低くならないようにする
かと言って、ダラダラやりすぎると評価が低くなって次の年の昇給が低くなります。
なので、「さすがに暇かな」という時は人の仕事を手伝ったり、特にプライベートの予定がない時は多めに残業をしたりするというのが生活残業者のずるい思考です。
なんかリアルになってしまいました。
あなたが生活残業者をずるいと思う理由
では、あなたが生活残業者のことをずるいと思う理由は何でしょう?
おそらく次のどれかに当てはまったんじゃないでしょうか?
何も生み出していないのに稼いでいるからずるい
一つ目は冒頭にもお伝えしましたが、何の成果も生み出していないのに稼いでいるからです。
単純な計算ですが、1時間あたり2000円稼ぐ人がいてたら、残業代は1時間当たり2500円稼げることになります。
何もしないで2時間ダラダラ席に座っているだけで5000円稼げるわけです。それを2日間やったら1万円稼げるわけです。
何もしていないのにディズニーランドに行けるんですよ。ずるいですよね。
残業代が具体的に気になる人については以下のサイトで計算してみてください。
何もしていないのに評価が高くなるからずるい
二つ目の理由は、何もしていないのに評価が高くなるからです。
これは特に日系企業に多いです。もっと言うと昭和の気質が残る会社に多いです。
最後に会社に残っている方が偉いという考え方ですね。私は30歳なんですが、そんな会社があると聞いた時「なんじゃそりゃ」と思いました。
ですが、そういう会社があるのが現実で、生活残業であろうが、遅くまで残る方が定時で帰る人より評価が高くなることがあります。
そりゃあ頑張って定時で帰っている人からしたらずるすぎますよね。
何もしていないのに仕事振られないからずるい
三つ目の理由は何もしていないのに仕事が与えられないことです。
ですが、忙しくないのに生活残業者は仕事を与えられないんですよ。
なぜなら、仕事を与えてしまうと、もっと帰るのが遅くなるからです。
そうすると上司は、さらに上の上司から「あいつを早く帰らせろ」を圧力をかけられるので、追加で仕事を与えられないんです。
結果として、楽な仕事をゆ~っくりやるのが生活残業者なんです。
【実話】こんな生活残業者がずるい!!
ここからは、私が周りの人に「部署に生活残業しててずるい人っている?」と聞いたエピソードを紹介します。
きっとあなたの会社にもいるんじゃないでしょうか?
忙しそうに見せかけて簡単な仕事しかしない
普段からやたら早歩きで歩いたり、PCを扱う動作があわただしいんです。でも、ふたを開けてみると全然成果を挙げていなくって、なんでそんないつも忙しそうなの?と思ったりします。
しかも、特に難しい業務はやっていなくて、リストの体裁を整えたりとか、資料のドラフトだけを作ったりとかなんです。
それなのに、いつも最後まで残って忙しい感を出しているのがずるいなぁ、と感じたりしますね。(30代男性人事とのこと)
一つのデータを細部にこだわりまくる
うちは部門ごとに経費担当者が分かれているんですが、生産部門の経費処理だけやたら遅いんです。
遅い理由がその担当者がやたら体裁に整ったりとか、文言を気にしたりするからなんです。もちろん、経理なので細かいところに気を配るのは大事です。
ですが、それで遅くまで残って、40代ということもあり、そこそこ高い残業代をもらっているのを見ると、ずるいと感じてしまいますね。(40代女性経理とのこと)
やたら人に話しかけ、実務は何もしない
広報という仕事上人と話すことは避けられません。ですが、その人は必ず定時後に決まった人に話しかけに行くんです。仕事の話を言うよりかはダルがらみって感じですかね。
その人の広報部門の歴が長いので、仕事の知識があるということもあり、誰も指摘ができないんです。話しかけられた側も、帰るに帰れなくなったりもします。
その人からしたらストレス発散なんだろうけど、実務に関係のない雑談で高い生活残業代が払われるのはずるいとしか言いようがないですね。(40代男性広報とのこと)
【残念な現実】会社員はずるい人がある程度生き残る
ただ、ここである一つの残念な現実をお伝えします。人事として経営視点で企業の人を見てきてわかったことです。
それは、ある程度ずるい人が会社では生き残るということです。
これは一般社員に限らず、役員レベルでもずるい人が上がっていくケースもあるのが現実なんです。
生活残業をやっていた世代が残っているから
そもそも生活残業があまりとがめられないのは、上司やさらにその上の上司が生活残業をして育ってきたからです。
それで稼いで飲みに行って、コミュニケーションをとっていたという背景があるからなんです。
なので、ある程度ずるく残業をやっていた人たちが今の会社の管理職として働いているのが残念な現実なんですよね。
成果を自分の手柄にする人が残るから
みんなで取り組んだプロジェクトの誰かに伝える時に、
- 「私が基本的にはリードして進めました」
- 「壁に当たった時に私のアイデアでうまくいきました」
他のプロジェクトメンバーがいないところで言っちゃって、手柄を独り占めしようとするんですよね。
結果そういうずるい人が会社の上に行くというのはよくあることなんです。
やりたくない仕事を人にやらせるから
こういうずるい人も会社で生き残ります。
もちろん、自分が苦手な分野を人に任せることは大事ですが丸投げはずる過ぎますよね。
こういう人は、自分の得意な分野だけ仕事を引き受けて、「さあ、見てくださいこのデータ。素晴らしいでしょう?」とアピールしまくるんです。
周りからしたら、「おいおい」となるんですが、視野の狭い評価者はその点だけを見て、評価を高くつけたりするから困ったもんです。
生活残業者がずるいと思ったら自分もすべき?
ここまで、生活残業をする人のずるい思考やあなたがずるいと思う理由について解説してきました。
たまに聞かれるのが、「自分も生活残業をした方が得するの?」という点です。
キャリア面談とかでもたまに社員から聞かれますね。
私の考えをまじえて説明します。
生活残業は絶対にしてはいけない
過去にしていた私が言うのは何ですが、生活残業はしないでください。
もちろん、1.25倍割増しで賃金がもらえるのは魅力的に感じる部分もあります。
ですが、次の二つの理由からしないでほしいんです。
- 癖になる
- 時間の浪費
理由①癖になる
一度30時間ほど生活残業をしたことがあるのですが、手取り額の多さに浮かれました。浮かれた結果飲みに行って、好きなものを食べまくって、散財して終わりました。
その生活に慣れてしまうと、「残業代ありきの手取りじゃないと不安になる」んです。現実は、人生の大切な時間を売っているので、趣味に使ったり家族に使う方が大切なんですが、生活残業なしだと薄給に感じてしまうんです。
それで癖になって、ループにはまってしまう。
なので、最初から生活残業はしないようにしましょう。
理由②時間の浪費
残業を通じて、自分のスキルだったり会社の大切な人脈を増やせるならまだいいでしょう。ですが、生活残業は何も生み出しません。
それは人生の貴重な時間を捨てているようなもんです。
もちろん稼いだお金で養えているかもしれませんが、残業をそこまでしなくても養う方法はいくらでもありますし、仮に残業するならスキルになる仕事をしましょうという話です。
【例外】生活残業をしていいケース
生活残業のことをずるいずるいと言ってきましたが、一応例外もあります。
ケース①一生その会社にいるつもりの場合
一生その会社にいるつもりの場合、生活残業を続けてもいいと思います。
この世に絶対はないので、結論基本的には生活残業はしないほうがいいよね、というのが答えです。
ケース②パワハラ上司がいてとりあえず残る場合
また、例えばあなたが若手社員で少し残業しないとパワハラ上司に怒鳴られるみたいな場合は、とりあえず残業するのはありです。
これは仕方ないというか自分の身を守るためですね。
ただ、そもそもパワハラ上司に当たった場合は、次の章でも紹介するようにその職場から離れることを最優先に考えてください。
生活残業者がずるいと思ったら時にやるべきこと
あなた自身が周りの生活残業者を見て「ずるい!」と思ったときにやるべきことを紹介します。
その人から離れることを考える
それは、その人から離れることを考えるということです。
正直、ずるいという妬みの感情を抱きながら仕事をするのはあなたのメンタルによくないです。
せっかく頑張ったのにその人がいるせいで、「成果が取られちゃうのか」とか「あの人の方が給与高いのか」とか考えちゃうのは本当にもったいないです。
なので、早めにその人から離れることを考えてください。
ちなみにやめさせる方法もありますが、難易度が高いです。
人事視点のアドバイスは会社ごと変えてしまう
人から離れる時のオススメは会社ごと変えることです。要は転職です。
これを読んでいる人の中には、「チーム異動とか部署異動じゃダメ?」と思う人もいるかもしれませんが、ダメです。
なぜなら、異動先にも必ず同じような人がいるからです。会社が同じ限りいます。会社を変えて、転職時にうまく情報収集することでずるい従業員がいない会社に入れますよ。
会社を変えるなら早い方がいい
もしこの話を聞いて転職が少しでもよぎったなら、早めに行動をした方がいいです。
普段中途採用をしている身からすると、かなりそう感じています。
具体的な理由は次の3つです。
- ずるいという感情が消える
- 優越感に浸れモチベーションが上がる
- そもそも転職早い=入りたいところに入りやすくなる
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ずるいという感情が消える
そもそもずるいという感情が消えます。なぜなら、転職するとまずは自分の業務に必死になって集中するからです。
集中するとスキルも上がって、さらにキャリアアップしやすくなります。なので、周りの人に構わなくて済むんですよ。
結果ずるいというネガティブな感情が消えます。
優越感に浸れモチベーションが上がる
それに、自分は恵まれた環境でレベルアップをしているんだという優越感に浸れます。
残った人を思い返しては、「まだ生活残業をして人生を浪費しているんだろうな」と感じることができます。
少し嫌なやつの発想ですが、割とモチベーションになったりします。
そもそも転職早い=入りたいところに入りやすくなる
最後の理由が早く転職をした方がそもそもいい会社に入りやすいからです。
もちろんスキルも大事なんですが、年齢が若ければ、「育てられる」や「まだ今の会社に染まっていない」という理由で年齢だけで合格することがあるんです。
なので、まずは転職サイトに登録してまずは面談をしてみることをオススメします。
「今の会社に不満があるけどなかなか動けない人へ」メッセージ
私から最後のメッセージです。
「転職の宣伝かよ」と思う人は読まないでOKです。
「今の会社で、若い今の貴重な時間を浪費しないでください」
誰かを「ずるい」と思いながら仕事をすること自体がもったいないです。
転職をすれば、尊敬できる人に囲まれながら年収アップを目指せ、将来の選択肢を広げられます。
ただ、
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- 準備や選考に時間がかかりそうで面倒
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ここだけの話ですが……
あなたの生活がより良いものになるように応援しています!